オリジナルソケットは独自の集積回路を開発し製品に利用するためには必要不可欠なものとなっており、多くの場合には集積回路の開発とともにその製作を行うことが一般的となっています。しかし、集積回路の動作確認以外にはその用途がないことや、開発が完了したら使用しないことが多いため開発コストを圧迫する要因とみなされ、企業によっては無駄なものと見られてしまうことが少なくありません。オリジナルソケットの製作費用を低く抑える事は開発の効率化につながるとともに、社内の評価を高める上でも非常に重要な要素となっていますが、現実的にはその金額自体を抑える事は非常に難しいものとなっています。そのため、その費用の捻出をすることができず、集積回路自体の開発を断念してしまうことも少なくありません。

オリジナルソケット製作費用を低くする事は難しいものですが、企業の中ではその費用負担を分散させ他の用途に利用できるようにすることでコストダウンを図ると言う考え方があります。オリジナルソケットの場合には主に検査治具に流用することで、費用の1部を検査部門に振り向けることにより、開発コストを削減すると言う考え方が主流です。ただしこの場合には検査部門が使用しやすい形とする必要があり、余分な費用が発生してしまうと言うことも少なくありません。オリジナルソケットの費用を削減するもう一つの方法は、汎用的な用途を想定し効果的に制作することです。

通常の集積回路は端子配列もオリジナルのものとすることが多いのですが、これを標準的なものにすることで他の用途にも利用することができます。またプリント基板の端子パターンも利用することができるため、効率的なコスト削減を行うことができます。