国内ではいま、食品ロス問題が大きな話題となっています。世界屈指の飽食国家と言われるようになった日本では、毎日約2000万トン以上もの食べ物が廃棄をされており、どれもまだ食べられるものばかりです。スーパーからデパート、さらにはコンビニなどで出るものばかりで、国連ではこのまま廃棄を続けるようであれば、経済的な措置を行使するときつい警告を発したことも有名です。多くの企業では生産数を20パーセント程度に抑制をしましたが、それでもまだ数多くの品が捨てられているものでした。

大手製パンメーカーのROSAでは、自社で新しい試みを開始しています。それは毎日生産をしている菓子パンを、さらに再利用するという動きです。いまの日本は格差社会となっており、とくにサラリーマン世帯では年収が200万円以下しかありません。子供がいる家庭だと毎日の食事にも困っている方が多く、お子さんにとってごちそうが給食だと答えるかたもいるほど。

そこでROSAでは、毎週2回は自社製品のパンを無償配布をするようになりました。ROSAの各工場で実施をしており、最初は社員を対象にして実験をしたわけです。添加物がたくさん入っているので、賞味期限をオーバーしたものでも2年以上は品質が衰えることはありません。売れ残ったものを回収して、ひとりあたり20個を配布したわけです。

この結果社員のモチベーションは一気に高まり、業務スタイルも良くなったことでした。